会長からのご挨拶

次世代の教育を担う家庭科教育の展開にあたって

日本家庭科教育学会会長 伊藤 葉子
今期(2015-16年度)の会長を拝命いたしました。これまでの家庭科教育の歩みを支えてきた日本家庭科教育学会の歴史と伝統を引き継ぎ、副会長をはじめとする理事の皆さまや全国の会員の皆様と一緒に、さらなる発展に取り組んでいきたいと考えております。どうぞ、よろしくお願いいたします。
2011年3月11日の東日本大震災とその後の復興のプロセスは、私たち、家庭科に関わる人々に、「生活」の真の意味を捉え直す必要性を突きつけたと感じました。同時に、「生活」における自立・協働・創造を実現していくために、家庭科教育が果たすべき責任の重要性を痛感しました。2014年は、ESD(Education for Sustainable Development: 持続可能な開発のための教育)の10年の最終年にあたり、日本で世界会議が開催され、2015年からはセカンド・ステージに入りましたが、家庭科が、ESDを推進し、持続可能な生活をつくり、実践していく重要な教科であることを、私たちが自覚し、発信していくことが求められていると思います。
今、教育のグローバル化の推進が求められていますが、家庭科においては、「グローバルな視点から捉え、身近な生活のなかで、家族や地域/コミュニティと連携して実践していく(think globally, act locally)」ことが大切だと考えます。日本の家庭科は、小・中・高校と男女共学で必修であること、衣・食・住生活はもとより、家族・保育から消費者・環境・福祉教育等までの広い視野から内容が構成されており、世界でも唯一無二の充実した教科なのです。また、その家庭科を教える教員を育てる教員養成システムを確立してきたこと、これまでにも優秀な人材を教育界に送り出し豊かな生活のつくり手として生徒たちを指導してきたこと、そのための家庭科の実践を蓄積してきたこと等に、誇りをもつべきだと感じています。そして、それを守っていき、さらに進展させていかなくてはなりません。
しかし、1947年から現行の学習指導要領までの推移を総括すると、家庭科の授業時間数は約3分の1に減らされており、この授業時間数の削減が小・中・高校の家庭科の授業に深刻な問題状況をもたらしていることが明らかになっています。ぜひ、日本家庭科教育学会の会員のみなさまのお力添えをいただいて、日本の家庭科を守り、発展させていきたいと願っております。

2015年度 学会活動方針ならびに事業計画

【活動方針】
  1. 研究活動の充実
  2. 家庭科をめぐる諸問題への対応
  3. 学会組織の円滑な運営
【事業計画(上記との関係)】
  1. 大会・例会の開催(,供
  2. 学会誌等刊行物の発行(,供
  3. 家庭科の理論研究および実践研究の推進(,,掘
  4. 研究の奨励及び研究業績の表彰(機
  5. 内外の関連学協会との連携及び協力(,供
  6. 学会活動の目的を達成するために必要な事業(掘
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